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第2回 東急「新旧の魅力が交錯する新しい関内へ」

横浜市庁舎跡地開発プロジェクトのメンバーである、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、 DeNA)と三井不動産株式会社(以下、三井)、東急株式会社(以下、東急)、京浜急行電鉄株式会社(以下、京急)の4社とベンチャー企業による共創プログラム「横浜スポーツタウンアクセラレーター(以下、YSA)」。
横浜市庁舎跡地開発プロジェクトが計画されている関内周辺エリアにおいて、業界の異なる各社がそれぞれの領域で求めるアイデア・事業はどのようなものか?
どのようなまちづくりを実現したいのか?
4社のYSA担当者が語ります。

第二弾でインタビューするのは、沿線を中心に交通、不動産、生活サービスの事業を展開する東急。
東急は、「スタートアップと共に、ワクワクする街づくりを」をテーマに2015年から「東急アクセラレートプログラム」を実施している。
今回登場するのは、沿線開発事業部 開発第二グループの武井氏です。

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↑東急㈱ 沿線開発事業部 開発第二グループ 横浜都心担当 武井駿氏
大学卒業後、2013年に東京急行電鉄㈱に入社(現 東急㈱)
多摩田園都市の地権者向けの不動産コンサルティング(営業・事業企画)を経験し、現在は横浜都心エリアの開発業務を担当

➖東急は渋谷での都市開発が印象的ですが、関内でのプロジェクトに取り組む背景について教えてください➖

昨今、みなとみらい地区を中心に大規模なオフィスやホテルなどが集積し、東急東横線と相互乗入れするみなとみらい線の利用者は年々増加傾向になっております。

東急グループもみなとみらい地区で新たに横浜東急REIホテルを開業するなど、東急東横線の目的地である横浜エリアの活性化に寄与する取り組みに積極的に関わっています。特に関内エリアは、横浜市庁舎移転などの連鎖的に行われる大規模な土地利用転換が始まっており、東急グループのリソースを活用したまちづくりにかかわることで横浜全体の賑わいづくりや活性化に寄与すると考えています。

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↑横浜東急REIホテルのロビー

ー近隣のみなとみらいや横浜駅周辺で様々な事業を展開されていますが、それぞれの取り組みについて教えてくださいー

横浜駅周辺では、全国初の国家戦略住宅整備事業に認定された横浜駅きた西口鶴屋地区第一種再開発事業に再開発組合の一員として参画し、グローバル企業誘致に貢献する生活環境を整備し、横浜都心臨海部における国際的なビジネス拠点機能を高める取り組みを実施しています。

一方、みなとみらい地区では、2020年6月5日に横浜東急REIホテルが開業。ミレニアル世代の居心地の良さを追求したライフスタイルホテルとして、横浜を訪れるレジャー客だけでなく、国内外のビジネスを目的とした宿泊にも対応しています。新たなエンタテインメントの発信拠点であるライブハウス型ホール「KT Zepp Yokohama」が併設しており、様々なコラボレーションを展開していく予定です。

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↑横浜駅きた西口鶴屋地区第一種再開発事業のイメージ

➖横浜エリアではたまプラーザにおいて横浜市と提携して郊外住宅地の課題解決に取り組まれていますが、どのような取り組みをされているのでしょうか➖

2012年4月に横浜市と締結した「次世代郊外まちづくり」の推進に関する協定に基づき、たまプラーザ駅北側地区をモデル地区とし、多摩田園都市を含めた郊外住宅地が抱えるさまざまな課題を、産・学・公・民の連携、協働によって解決し、持続可能なまちづくりを推進するプロジェクトを進めています。

「※コミュニティ・リビング」の具現化を目指し、2017年5月には「次世代郊外まちづくり」の情報発信や活動拠点の場として「WISE Living Lab」を開設。
また、2019年4月には、分譲マンション「ドレッセWISEたまプラーザ」の低層部に「多世代コミュニティ交流機能」「身近な就労機能」「子育て支援機能」が導入された地域利便施設「CO-NIWAたまプラーザ」を整備し、同施設を拠点としたエリアマネジメント活動にも取り組んでいます。

現在は、多摩田園都市全域への展開を視野に、横浜市や青葉区と共に「田園都市で暮らす、働く」というコンセプトのもと、起業や社会活動への参加につなげる支援、「働く場」の創出、企業活動との連携など、主体が個人から企業レベルに渡る多面的な取り組みを通して、郊外住宅地における魅力・価値の創造を目指しています。

※コミュニティ・リビングとは、次世代郊外まちづくりにおける暮らしと住まいのコンセプトであり、郊外住宅地の一定のエリア、歩いて暮らせる生活圏の中で、暮らしの基盤となる住まいと、住民の交流、医療、介護、保育や子育て支援、教育、環境、エネルギー、交通・移動、防災、就労といったさまざまなまちの機能を、密接に結合していく考え方です。

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➖東急は多摩田園都市など比較的歴史の新しいベッドタウンを沿線に持っていますが、対照的に歴史のある関内のエリアの魅力や課題はどのようにお考えでしょうか➖

1966年に東急田園都市線が開通し、地権者とともに区画整理にて宅地開発を行い、今の多摩田園都市を形作ってきました。ベッドタウンとして一定の評価は得ているものの、街の歴史としてはまだまだ浅く発展途上です。

一方で関内エリアは横浜港の開港以来まさに横浜の中心地として、発展を遂げてきたエリアで、随所に港町ならではの歴史が根づいており、外国人居留地が隣接していることや中華街があったことからも独特の文化を醸成してきました。

最近では横浜市庁舎の移転はありますが、ベンチャー企業などの集積も目立ちます。その反面、臨海側と内陸側の南北の交通機能が弱く、同じエリアといえども、まだまだ一体での良さが生まれていない印象です。また、関内、伊勢佐木町、近隣の野毛などの夜の賑わいについてももっと魅力を発信していきたいですね。

➖それらの課題に対して、どのようなアイデアを望まれているでしょうか➖

臨海部や横浜公園などの公共空間を含むスポーツプログラムやウェルネス観点からのアイデアがあるとエリア全体の人の賑わいが生まれそうですね。

また、歴史的建造物や独特の文化などを生かした関内版着地型観光モデルが生まれる仕掛けや、ナイトタイムエコノミーが活性化するような方向性も地域内経済の活性化に繋がり、面白いと思っています。そして、地域内モビリティに関する取り組みもあるとエリア内でもっと回遊性が生まれ、関内全体に好影響を与えるかと思います。

➖東急はどのようなリソースを提供できるのでしょうか➖

東急グループとしては、渋谷を中心としてインバウンドにも取り組んでおりますので、観光リソースを提供できると思います。

また、東急東横線がみなとみらい線に直通していますので、そういったリソース提供の可能性もあります。他にもグループ各社と連携をとることもできるかもしれません。

➖最後に改めて、応募を検討している方々にメッセージをお願いします➖

今後横浜市庁舎跡地でのPJはありますが、まだまだ街全体でのポテンシャルはあると思っています。新旧入れ交じるこの関内周辺エリアにおいて、新しいまちづくりを共に創造していきませんか?応募を心待ちにしております。